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石川原(いしかわら)遺跡

平成29年10月 調査
調査場所
吾妻郡長野原町川原湯地内
調査期間
平成29年4月1日~平成29年12月31日
調査原因
八ッ場ダム建設工事に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
国土交通省関東地方整備局八ッ場ダム工事事務所
主な時代
縄文・平安・中世・近世
遺跡の内容
10月の調査は、7区北側で遺跡内を東西に走る現在の町道下の調査を継続しておこなっています。ここでは天明泥流下からも東西に走る道と石組みの水路が検出されており、道と並行して走る水路が道を横断して北側へ分岐することがわかりました。北側にも屋敷が確認されているため、その屋敷へ水を送るための分岐と考えられます。石川原遺跡で見つかっている数多くの屋敷では井戸が1基も見つかっていないため、これらの水路から供給された水は飲料水も兼ねていたものと考えられます。また、分岐点には木樋が使われていることがわかりました。この木樋は1本の木材をU字状に切り抜いてあります。また、道を横断する部分には同じような形状が施された蓋が設置されています(写真1)。
7区南側では縄文時代後期後半期(今から約3,500年前)の1号配石をはじめ、東側に広がる2号配石の調査をおこなっています(写真2)。
連絡先
八ッ場ダム調査事務所 0279-76-8040
写真1 7区木樋検出作業(東から)
写真2 7区2号配石検出作業(東から)