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森下宮原(もりしたみやばら)遺跡

令和3年12月 調査
調査場所
利根郡昭和村森下地内
調査期間
令和3年6月1日~令和3年12月31日
主な時代
縄文~古代
遺跡の内容
今月は調査区西側の作業道部分を中心に調査を行いました。古墳時代~古代の遺構の下からは、縄文~弥生時代の遺物が出土しており、少数ですが遺構も検出されました(写真1)。また、東北系の文様をもつ縄文土器も出土しています(写真2)。119号土坑は、縄文時代と考えられる「陥穴(おとしあな)」です(写真3)。底部にみえる2つの小さい穴は、木杭を設置した痕跡と考えられます。こうした木杭は「逆茂木(さかもぎ)」と呼ばれ、獲物の脱出を阻む役割をもっていたようです。
このほかには、旧石器の確認調査を行い、約3万年前に鹿児島湾で噴火した姶良Tn火山灰(AT)が確認されましたが、石器は出土しませんでした(写真4)。
今年度の調査は12月で終了しました。
連絡先
森下宮原遺跡発掘調査事務所 090-2652-8848
写真1 93号土坑 縄文土器出土状況
写真2 東北系の縄文土器(縄文時代晩期)
写真3 119号土坑(陥穴) 全景
写真4 15号旧石器トレンチ 全景