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金井東裏(かないひがしうら)遺跡

平成30年7月 調査
調査場所
渋川市金井地内
調査期間
平成30年6月1日~平成30年7月31日
調査原因
(国)353号金井バイパス(上信自動車道)道路改築事業に伴う埋蔵文化財の発掘調査
委託者
群馬県渋川土木事務所
主な時代
縄文・弥生・古墳・近世
遺跡の内容
 7月の調査は、古墳時代に榛名山二ツ岳から噴出した火山灰除去から、旧石器時代までの遺構確認を行いました。今回の調査では、榛名山噴火の最初の降下火山灰の上面からは古墳時代の人々の痕跡は確認できませんでした。また、この火山灰の下の黒色土中からも遺構や遺物は発見されませんでした。平成25年度に発掘調査された隣接する9区では、古墳や竪穴建物、畠、赤玉、馬具など、古墳時代の遺構や遺物が数多く発見されていることを考えると、今回の調査場所は、これら集落域からは外れていた場所であったかもしれません。黒色土下ローム漸移層面からは弥生時代の竪穴建物1棟(写真1)と土坑11基、ピット10基を確認しました。竪穴建物は半分が調査区外に入るため全容は確認できませんでしたが、弥生時代後期の「樽式土器(たるしきどき)」が出土していることから、この竪穴建物は弥生時代後期のものと考えられます。土坑やピットからは遺物が出土していないため時期判断はできませんが、弥生時代から縄文時代にかけての遺構と考えられます。また、旧石器の有無を確認するための試掘を行いましたが、遺物の出土はみられませんでした。調査は7月31日で終了しました。
連絡先
金井東裏遺跡調査事務所 090-5490-1699
写真1 弥生時代竪穴建物作業風景(南から)
写真2 調査区6面全景(東から)