平成20年1月
 
白井十二(しろいじゅうに)遺跡 【一般国道17号(鯉沢バイパス)関連】
= 縄文時代草創期後半【約11,500年前】=
 白井十二遺跡は、渋川市白井(旧北群馬郡子持村白井)に所在します。  この地域は、利根川によって形成された河岸段丘が発達しており、白井十二遺跡が立地するのは白井面と呼ばれる下位段丘面です。
 平成15年から17年にかけて行われた調査では、1,500点近い表裏縄文土器の破片が見つかりました。表裏縄文土器とは、通常、土器の表面だけに施文される縄目模様が内面にも施された土器のことです。写真の土器の内面には、少量の炭化物(おこげ)が付着していました。その分析の結果から、この土器は今からおよそ11,500年前に作られたことがわかりました。表裏縄文土器に伴って黒曜石製石器も多数出土しました。この黒曜石を分析したところ、産地は長野県の和田峠付近であることがわかりました。産地からの直接的な搬入が想定されます。
 この頃の地球は、長い氷河期が終わり気候が急速に温暖化していった時期に当たります。グリーンランドの氷床コアからは、50年に7℃のペースで年平均気温が上昇したことが明らかになっています。白井十二遺跡の人たちは、この大きな環境変化の中で、より暮らしやすい場所を求めて長い道のりを歩いたのでしょう。その後、表裏縄文土器に代わって新しいタイプの土器が使用される時代(縄文時代早期)になると、気候も安定し、人々は竪穴住居を作って定住生活を始めます。白井十二遺跡の人たちは、一か所に定住せず移動生活を行っていたという点から“最後の旧石器人”と言えるのかもしれません。
縄文時代前期後半の大形住居群
中央やや右の白線が白井十二遺跡

出土した表裏縄文土器

出土した黒曜石製石器