平成19年12月
 
大上(おおがみ)遺跡【北関東自動車道関連】  
= 旧石器時代【約27,000年前】 =
 大上遺跡では、平成19年11月に紹介した縄文時代前期後半の遺跡のさらに下層から約3万年前、2万7千年前、2万5千年前、2万年前の4つの時期の旧石器遺跡が発見されました。
 大上遺跡の脇には今もなお湧き出る「あまが池」があり、遙か3万年もの太古から繰り返し人々がこの水を求めて暮らしてきたことがわかりました。
 2万7千年前の遺跡は地表下約1.5mのローム層から発見され、3,500点にも及ぶ大量の石器が調査区の広い範囲から出土しました。石器の大半は母岩を打ち割っただけの剥片でしたが、ナイフ形石器という精巧に作られた石器もたくさん出しました。
 写真はすべてナイフ形石器で、表裏面と左右側面の計4面をそれぞれ90°回転させて撮影したものです。写真上段左は長さが8.5cmあります。石刃という細長い剥片を利用し片側側縁と基部を細かく加工して、先端部と基部の両方を鋭く尖らせた形に仕上げています。特に写真下段のナイフ形石器は片側側縁を「く」の字形に仕上げている点が特徴的で、仕上がった大きさと形がとても似ています。
 大上遺跡のナイフ形石器は狩猟用に製作された道具で、柄の先端部に取り付けられ槍として使われたと考えられます。似通った大きさと形のナイフ形石器の存在は、2万7千年前に大上遺跡にやってきた旧石器人が同じ規格の槍をこの地で何本も製作し、完成した槍を携えて狩りへと出かけていたことを物語っています。
 
2万7千年前の遺跡の調査
 
 
2万7千年前の遺跡から出土したナイフ形石器