平成19年11月
 
大上(おおがみ)遺跡 【北関東自動車道関連】
= 縄文時代前期後半 【約5,000年前】=
 大上遺跡は、伊勢崎市上田町(旧佐波郡東村上田)に所在します。7月の最新情報で紹介された天ヶ堤遺跡と隣接しており、天ヶ堤遺跡から谷を挟んだ東側の台地に立地します。平成13〜15年度にかけて発掘調査が実施され、縄文時代前期後半と中期末葉〜後期初頭の2時期の集落が検出されました。前期後半の集落は、調査区中央の低地を臨むように馬蹄形状に住居を配置し、住居の周囲および住居群の西方に土坑群が分布していました。直径が10mにもおよぶ大形住居の存在や、広範な地域の土器、大量の黒曜石製石器の出土などから、伊勢崎周辺地域における拠点的集落の様相を呈しています。
 今回紹介する刀状石製品は、住居群の西方に分布する土坑の1つから出土しました。長さ13.8cm、幅2.9cm、厚さ0.9cm、重さ59.5gで、緩やかに反った小刀のような形をしています。石材は変質蛇紋岩で薄い緑色を帯び、全面が丁寧に磨かれて光沢があります。基部に小さな孔が穿たれていることから、その孔に紐を通して首などからさげた垂飾の一種と考えられます。このような刀の形をした垂飾は、渋川市(旧勢多郡赤城村)三原田城遺跡に1例あるのみで、本遺跡例を含めて全国でも2例しか確認されていない貴重なものです。この刀状石製品が出土した土坑は墓坑と考えられ、被葬者が身に着けていたのか、あるいは副葬品として埋納されたものでしょう。
縄文時代前期後半の大形住居群
縄文時代前期後半の大形住居群

刀状石製品出土状況

刀状石製品