平成19年7月
 
天ヶ堤(あまがつつみ)遺跡 【北関東自動車道関連】
= 縄文時代中期後半〜後期前半【4,500年〜3,500年前】=
 天ヶ堤遺跡は、伊勢崎市三和町にある遺跡です。平成12年度から14年度にかけて、北関東自動車道建設のために調査しました。
 遺跡は、赤城山南麓大間々扇状地桐原面の標高90メートルほどの所にあります。この遺跡周辺には、赤城山から「あまが池」・「男井戸」・「角弥清水」・「谷地清水」など多くの湧水がありました。縄文時代にもこれらの湧水を利用していたと考えられます。
 天ヶ堤遺跡からは、縄文時代中期後半から後期前半の住居跡や貯蔵穴など多くの遺構が発見されました。これらの遺構に伴って土器や石器等多くの出土品があります。
 今回紹介するのは、縄文時代後期(約3,500年前)に作られたと思われる土製腕輪です。この土製腕輪は、一部が壊れていますが、全体に小振りで手の小さい女性なら装着出来る大きさです。この腕輪の特徴は貝製の腕輪(貝輪)を模倣していることにあります。通常の腕輪ですと、土を棒状に丸めて輪を作ったものですが、この腕輪は、粘土紐を扁平にして楕円形で、貝殻を腕輪にしたときのように作っています。縄文人は、貝の形をまねるだけではなく、腕輪に縄文をつけたり、だいぶ剥がれてしまいましたが赤い色で彩色したりと、腕輪作りにたいする苦心の跡が見て取れます。
 貝輪の形をまねると言うことは、腕輪の形はこういう形でなければならないという縄文人の意識の表れと考えます。その形を作り出すために海が無く貝がなかなか手に入らない群馬では、土製のものが作られたのかもしれません。
天ヶ堤遺跡 全景正面に見えるのは赤城山
天ヶ堤遺跡 全景正面に見えるのは赤城山

(1)腕輪の写真 (2)腕輪の写真
   
(1)の断面と拓本 (2)の断面と拓本
貝輪を模倣した土製の腕輪