藤岡市矢場地内
平成22年4月1日~平成22年8月31日
古墳時代~奈良・平安時代、中世
矢場三ッ橋II遺跡では、県道前橋長瀞線の道路改築事業に伴い4月から発掘調査を行い、8月末に予定どおり作業を終了しました。今回の発掘調査の大きな成果として、鎌倉時代から室町時代の館跡が発見されたことがあります。
前回紹介しましたように、館跡からはすでに方形の区画溝などが見つかっていましたが(写真1)、新たに掘立柱建物と呼ばれる建物が数棟見つかりました(写真2)。また、事業地周辺の地形や土地利用状況を参考にして館の溝跡を推定すると長辺が75mほどの館跡が複数存在していることが推定できます。
すでに検出されていた井戸を、さらに重機を使用して掘り下げたところ、生活に使用されたすり鉢や火鉢の破片、「かわらけ」と呼ばれる素焼きの土器の小皿などが見つかりました。「かわらけ」の中には、直接手で成形されたものも出土しました。これらは、群馬県の「かわらけ」が普通はろくろで作られるのに対して、京都や鎌倉などの都市で作られる「かわらけ」を意識して作られたものです。この館からすでに出土した輸入陶磁器と合わせて、都ぶりを意識した生活文化を感じることができます。
当地は、平安時代に伊勢神宮の領地である高山御厨が置かれ、中世においては桓武平氏(秩父氏)の一族である高山氏が勢力を伸ばした地域であると考えられています。今後の整理作業では、こうした観点からも当地の古代から中世の歴史解明の手掛かりとなるよう、出土資料を調べたいと思います。
群馬県埋蔵文化財調査事業団 0279-52-2511

