龍海院酒井弾正他墓(りゅうかいいんさかいだんじょうほかはか)

  前橋市紅雲町の龍海院境内にある。1995年に墓地の移転および改修に伴って前橋市教委が発掘調査した。酒井弾正は5代前橋藩主酒井忠恭の家臣である。調査前の墓地は、基壇上の高まりの上に石を配し、墓石が据えてあった。墓石を撤去すると、盛り土基壇中に長さ161センチメートル、厚さ26センチメートルから34センチメートルのやや湾曲した石が見つかった。石材は角閃石安山岩で、弾正墓石の南の墓石下に位置していた。伝承によれば、龍海院裏古墳(現存せず)の石室の天井石といわれる。弾正の墓は地表下70センチメートルにある。厚さ20センチメートルの漆喰の層があり、さらに内部に厚さ20センチメートルの炭の層があって、その中は炭と土の混土層になっていた。棺は底部のみが見つかったが、遺構の状況から、棺の規模は東西3尺、南北2尺、高さ2尺とみられる。棺材は厚さは3センチメートル程度の松材とみられる。棺の下にも漆喰層が認められた。漆喰層下は地山で地表から150センチメートルほどになる。弾正とみられる人骨が見つかったが副葬品はなかった。南の墓石の下は、炭の層のみが見つかり、人骨などは見つからなかった。弾正の妻の墓とみられる。出土遺物は前橋市教委に保管されている。〈井野誠一〉

[文献]
◇『前橋市文化財調査報告書』26 前橋市教委 1996

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