| 湯之口遺跡(ゆのくちいせき) |
| 勢多郡粕川村中ノ沢字湯之口地内の標高520メートルの高所にあり、粕川の谷に面する狭小な平坦面上に立地する。赤城山南面の山地から丘陵地への変換点にあたる。1994年から1995年にかけて粕川村教委が発掘調査し、縄文時代の遺物包含層と平安時代集落の一部が見つかった。縄文時代の遺物は、埋没した小支谷から主に前期後半の土器が出土した。平安時代の生活面は、弘仁9(818)年の地震に伴って発生したと考えられる地滑り堆積物に厚く覆われ、同層の上位から9世紀後半の竪穴住居が1棟、下位から土坑7基が見つかった。このことから、本遺跡の平安集落の年代は9世紀初頭までさかのぼり得るが、地滑り堆積物の下位から竪穴住居が見つかっていないため、この時期に本格的な居住が開始されたかどうかは分からない。いずれにしても、赤城山南麓での山間地への集落進出の時期について示唆をあたえる遺跡である。出土遺物は粕川村教委に保管されている。〈梅澤克典〉 |
| [文献] ◇『湯之口遺跡』 粕川村教委 1996 |