八幡原稲荷遺跡(やわたばらいなりいせき)

  高崎市八幡原町字稲荷にある。烏川との合流地点付近の井野川左岸にある微高地上に立地する。近接して八幡原A・B遺跡、八幡原大鼻遺跡などがある。1982年から1983年にかけて土地改良事業および工業団地造成に伴って高崎市教委が発掘調査し、竪穴住居、溝、土坑、掘立柱建物、As-A下の畝状遺構などが見つかった。また、縄文時代前期後半、同中期の浅鉢、深鉢などの土器片が出土したが、遺構は見つからなかった。竪穴住居25棟中、23棟は6世紀中葉から7世紀末の古墳時代後期に属し、集落の主体的な時期を示す。遺物は土師器の坏、甕、鉢、甑、須恵器の坏、蓋などのほか、土錘、臼玉なども出土している。焼失住居である1号住居からは土器類のほかに金銅製耳環が出土している。柱穴の一つからは、床面下に遺存する柱根が見つかった。樹種はイチイ科のカヤである。竪穴住居の柱材が遺存していた希少な例である。出土遺物は高崎市教委に保管されている。〈久保泰博〉

[文献]
◇『八幡原大鼻遺跡・稲荷遺跡』 高崎市教委 1983

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