| 谷津遺跡(やついせき) |
| 勢多郡北橘村八崎字南本宿にあり、利根川の河岸段丘上に立地する。標高は210メートルである。1994年に分譲住宅造成に伴って北橘村教委が発掘調査した。調査面積は86平方メートルで、平安時代の竪穴住居1棟と時期不明の方形竪穴状遺構が1基見つかった。竪穴住居はわずかに掘り込み面が残るだけだが、灰釉陶器や羽釜片が出土したことから10世紀代のものとみられる。竪穴状遺構は3.2メートル×2.8メートルの規模で3段に区画され外周に方形の柱穴がめぐる。出土遺物は棒状鉄製品、鍛冶滓のほかに土師、須恵器片が混入している。炉は見つからなかったが、床を掘りくぼめていること、鍛冶滓の出土から鍛冶工房と推定される。調査地の近くには「カジヤ」という伝承地名も残っていることから、時期の特定はできないが製鉄関連遺跡があることも想定できよう。出土遺物は北橘村教委に保管されている。〈長谷川福次〉 |
| [文献] ◇『谷津遺跡』 北橘村教委 1994 |