| 三筆古墳群(みふでこふんぐん) |
| 佐波郡境町上淵名字三筆にある。早川と中川に挟まれた大間々扇状地内の台地上に立地する。この古墳群の東方には早川に面して上淵名・下谷古墳群(6世紀後半から7世紀)があり、南西方には4世紀から始まり古墳時代の全期間を通じる大集落がある。1988年に農作業中に鉄製直刀が出土したことから境町教委が発掘調査した。2基の円墳が見つかった。1号古墳は堀を含めた直径が18.8メートル、2号古墳は20.8メートルの規模で、埋葬施設はいずれも笠懸町西鹿田産の流紋岩質凝灰岩の切石を用い、粘土で被覆した箱式棺形小石室である。1号古墳の埋葬施設には、当初出土した直刀のほか鉄製鏃が副葬されていた。2号古墳の埋葬施設は、2.7メートル×1.5メートルの掘り方の中に造られた、N-70°-Eの方向に軸線をもった長さ1.62メートル、幅0.41メートルから0.36メートルの大きさの小石室であった。底石、側石、蓋石ともに凝灰岩を使用している。底石の上に2センチメートルから4センチメートルの小石を敷き詰めている。石室内から骨粉のほか、ガラス製小玉が14個出土している。1号古墳は周溝内に転落した壷や高坏や埴輪に6世紀前半代の特徴があること、直刀にも5世紀末葉の特徴があり、墳丘直上にHr-FAが認められることなどから、6世紀第4四半世紀の構築と考えられる。この古墳に使われた凝灰岩産出地の笠懸町まで8キロメートルあり、今後はその産出地と消費地との領域の問題などが論議される古墳である。出土遺物は境町教委に保管されている。〈坂爪久純〉 |
| [文献] ◇『三筆古墳群』 境町教委 1988 |