| 三後沢遺跡(みつごさわいせき) |
| 利根郡月夜野町下津字北原と三後沢にあり、利根川および赤谷川右岸の河岸段丘上に立地する。標高は432メートルから436メートルで、赤谷川との比高は約40メートルである。1982年に月夜野バイパス道路建設に伴って県埋文事業団が発掘調査した。発掘面積は約8000平方メートルである。発見された遺構は、縄文時代の陥穴4、縄文時代前期の竪穴住居5、土坑7、弥生時代後期の竪穴住居7、時期不明の土坑36である。縄文時代前期の竪穴住居は、関山式期と次段階の有尾式系土器を出土する竪穴住居に区分された。とりわけ有尾式系土器を出土する3棟の竪穴住居は、北に向かって狭まる台形の平面形を基本とする大型の竪穴住居であった。これらの竪穴住居から出土した遺物は膨大な量に達している。J-4号住居では、完形品や大型破片28個体分、土器片3384点、石器類1616点が出土し、J-5号住居からは完形品や大型破片38個体、土器片3647点、石器類1816点が出土した。これらの出土遺物や竪穴住居の企画性(同一規模、同構造であること)、さらに各竪穴住居の配置から考えると同時期に集落を構成するものと思われる。さらに、集落の移住に伴う廃棄−修復のサイクルを想定することもできる。集落は台地北側に向かって展開している。なお、竪穴住居出土の黒曜石を科学分析により原産地を特定した結果、2点が神津島砂糠崎産、1点が信州星ケ塔産であった。出土遺物は県埋文センターに保管されている。〈菊池実〉 |
| [文献] ◇『三後沢遺跡・十二原II遺跡』 県埋文事業団 1986 |