| 御正作遺跡(みしょうさくいせき) |
| 邑楽郡大泉町下小泉字御正作、字長沼にある。利根川中流域左岸の洪積台地上に立地する。1980年から1981年にかけて大泉町教委が発掘調査し、主に先土器時代の石器群と古墳時代前期の集落や墓域が見つかった。
先土器時代の石器群は2地点で見つかっており、共に舌状台地の縁辺に位置している。第1地点では2062点の石器群が出土した。槍先形尖頭器23、ナイフ形石器13、彫器1、掻器2、削器10、石核4などの組成をもつ。石材は礫を除けば、すべて黒曜石である。第2地点では16点の石器群が出土している。特に第1地点の石器群のあり方は、1単位集団の単時的な単一的占居形態を示すものと考えられる。 古墳時代前期の遺構としては、竪穴住居38、周溝墓8、礫床墓1、祭祀跡6が見つかった。いずれも洪積台地上に位置している。墓域と居住域の空間分割の可能性もあり、このころの社会を考える上では貴重な遺跡である。出土土師器は竪穴住居、周溝墓ともに豊富で、いわゆる石田川式期の基準資料となる土器群である。また、礫床墓からは鉄刀1が出土している。県東部では、弥生時代に極めて希薄であった集落が、4世紀後半の時期に爆発的に増加する社会現象があるが、本遺跡もそうした社会の動きによって発生した集落の一つと考えられる。 そのほか、平安時代の竪穴住居や時期不明の掘立柱建物、溝、土坑などが見つかっている。出土遺物は大泉町教委に保管されている。〈深沢敦仁〉 |
| [文献] ◇『御正作遺跡』 大泉町教委 1984 |