三ケ尻西遺跡(みかじりにしいせき)

  勢多郡粕川村深津字三ケ尻西にある。赤城山から延びる丘陵性台地と東神沢川による段丘の接点に立地する。台地との比高は10メートルほど、東神沢川との比高は4メートルほどである。1992年に工場建設に伴って粕川村教委が発掘調査した。段丘面と台地との境には湧水による谷地が形成されており、そこではAs-B下とAs-C下の2面の水田が見つかっている。As-C下の水田に伴う溝からは赤井戸式期の土器が多く出土し、隣接する台地上にある西原遺跡の環壕集落に伴う水田と考えられる。この水田のある谷地と東神沢川との間の段丘面上で、古墳時代後期後半の12棟の竪穴住居と2基の製鉄炉が見つかった。製鉄炉は大型の長方形掘り方の中に、2基が平行して斜めに設置されていた。いずれも長方形箱形炉で、炉の両端に不整円形の廃滓坑を設け、平面形は鉄亜鈴状である。炉の構造上、炉壁はすべて撤去された状態で、両端の廃滓坑には最終操業にかかわる流動滓が炉から流れ出た状態のままで残されていた。同時に調査された竪穴住居は、出土遺物からすべて7世紀後半のものと考えられる。また、住居内に鍛冶炉と考えられる屋内炉や羽口を伴うものがあり、鉄塊系遺物も大量に出土した。これらのことにより、竪穴住居群と製鉄炉が同時に存在し、製鉄作業にかかわる集落を形成していたものと考えられる。本県最古の製鉄集落である。出土遺物は粕川村出土文化財管理センターに保管されている。〈小島純一〉

[文献]
◇小島純一「古代の製鉄の村」『群馬地域文化』8 1996

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