| 松本23号古墳(まつもと23ごうこふん) |
| 邑楽郡邑楽町中野にある。旧大根村にあたる。石打台地上の東西1キロメートル、南北300メートルにわたって24基の古墳が残存する松本古墳群の中の1基である。1989年に邑楽町教委が発掘調査した。墳丘の直径約12メートル、高さ1.8メートルの規模の円墳であった。埋葬施設は南に向かって開口する横穴式石室である。石室を構成する石材のほとんどが抜きとられていたが、河原石を小口に積みあげて粘土と小礫で補強し、粘土で外側を覆うという、この古墳群にみられる特色を示している。近くに大きな石材がないため、渡良瀬川と利根川からの河原石を利用したものである。石室の平面形は小判形で幅1.4メートル、長さ4メートルの大きさと考えられる。石室から大刀2振り、鍔、鞘尻、金銅製耳環、鉄鏃が出土した。1振りの大刀に付属する鍔、「はばき」、把縁金具と単体で出土した鞘尻に銀象嵌が施されていた。鍔は倒卵形で、逆台形気味の八個の透かし孔をもつ。長さ7.5センチメートル、幅5.5センチメートル、厚さ4ミリメートルである。表裏外縁に渦文を1列に並べ、透かし孔と透かし孔との間にも、一つ大きく渦文を入れている。側面にも同様の渦文を1列に配する。出土遺物は邑楽町教委に保管されている。〈村岡泰子〉 |
| [文献] ◇『松本23号古墳発掘調査報告書』 1989 ◇『毘沙門古墳発掘調査報告書』 1986 邑楽町教委 |