真壁向山遺跡(まかべむこうやまいせき)

  勢多郡北橘村真壁字向山、字上大林にある。南西に延びる広い台地上に立地し、標高は210メートルから220メートルほどである。1992年から、住宅建設などに伴って北橘村教委が5回にわたり発掘調査した。縄文時代、平安時代の竪穴住居が見つかったII調査区は現状で保存された。I、III、IV調査区からは顕著な遺構は見つからなかった。1994年に調査したV区からは古墳の周溝と平安時代の竪穴住居5棟が見つかった。隣接地に墳丘の残る「経塚」という古墳があり、周溝はこの古墳に伴うものである。1号住居の周溝の底から少し浮いた状態で、緑釉陶器の皿、碗がほぼ完形で出土した。竪穴住居は3.0メートル×2.7メートルの小規模なもので特殊な住居とはいえない。伴出する碗類なども一般的なものである。緑釉陶器は10世紀代の年代が与えられているが、この時期の大きな集落が谷を隔てた北の台地に位置する水泉寺遺跡であり、この集落との関係が考えられる。出土遺物は北橘村教委に保管されている。〈長谷川福次〉

[文献]
◇『真壁向山遺跡V』 北橘村教委 1995

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