淵尻遺跡(ふちじりいせき)

  利根郡月夜野町小川字淵尻にある。利根川右岸の段丘上にあたり、西側には山稜が迫る。北側の沢に削られて残ったテラス状の比較的急な傾斜地に立地する。1982年から1983年にかけて、関越自動車道建設に伴って月夜野町遺跡調査会が発掘調査した。遺跡の中核をなす縄文時代の遺構では、竪穴住居1と土坑24が見つかった。土坑のうち11基は陥穴と考えられ、楕円形、長方形、中央がくびれる形のものがある。いずれも、その長軸を等高線に対して直交方向に向ける。当遺跡でのこうした陥穴状土坑のあり方は、土坑の性格を考える際の参考となる。当遺跡出土の縄文時代早期田戸下層式期の土器は、南関東地方で見られるものとは異なる様相を持ち、山間部におけるこの時期の研究に良好な資料をもたらした。出土遺物は月夜野町教委に保管されている。〈山本光明〉

[文献]
◇『関越自動車道(新潟線)月夜野町埋蔵文化財発掘調査報告書』 月夜野町遺跡調査会 1985

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