| 藤田荻久保遺跡(ふじたおぎくぼいせき) |
| 北群馬郡小野上村小野子字荻久保にあり、吾妻川の左岸で小野子山の丘陵南端に立地する。1992年にゴルフ場開発に伴って藤田荻久保遺跡調査会が発掘調査した。縄文時代前期から中期にかけての遺跡で、竪穴住居と土坑を中心とする遺構が見つかった。住居は前期黒浜式期のもので、長方形および方形の平面形である。特色として2回から3回にわたって拡張した痕跡が見つかったことが挙げられる。炉は地床となっていた。特に5号住からは石匙、使用痕のある剥片が多数出土し注目される。土坑は総数327基あり、縄文時代前期から中期に属すものである。円形の平面形でフラスコ形とみられるが、遺存状態は良くない。土坑覆土からは細かな炭化物が見つかり、分析の結果、堅果類のクルミが含まれていた。このため土坑は貯蔵の機能をもつものと判断された。出土遺物は小野上村教委に保管されている。〈石井克己〉 |
| [文献] ◇『藤田荻久保遺跡発掘調査報告書』 小野上村教委 1994 |