引切塚遺跡(ひききりづかいせき)

  前橋市青柳町字引切塚にある。赤城白川の右岸で赤城南麓が旧利根川に接する地点に形成された台地上に立地する。1985年に宅地造成に伴って前橋市埋文調査団が発掘調査した。縄文時代では遺構は見つからなかったものの、中期後半の加曽利E4式とみられる土器片や打製石斧、石鏃が出土している。古墳時代では竪穴住居27と掘立柱建物1、土坑10が見つかった。13号住居からは羽口と鉄滓が見つかっている。調査区の西に引切1号墳がある。埋葬施設のみが残っていて、墳丘や周堀は確認できなかった。埋葬施設は輝石安山岩の自然石による両袖型石室で、南に開口している。全長は4.65メートル、玄室長2.25メートル、玄室幅1.15メートル、羨道長2.39メートル、羨道幅0.67メートル。鉄鏃と刀子の破片が出土している。円墳と思われる。7世紀中ごろに造られたものとみられる。奈良時代では住居3棟が見つかった。出土遺物は前橋市教委に保管されている。〈井野誠一〉

[文献]
◇『引切塚遺跡』 前橋市埋文調査団 1985

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