東矢島遺跡(ひがしやじまいせき)

  太田市末広町にある。高林台地の北西部、標高35メートルのところに立地する。昭和初期に瓦が出土して、古代の寺院とみなされてきた。この瓦出土地については、1944年の相川龍雄の報告文に「道風山古墳の南西」とあることから、ほぼ高林交差点付近と推測される。現在残されている遺物は、軒丸瓦1点、文字瓦8点である。軒丸瓦は破損品で全体の形は不明であるが、復元すると直径14センチメートルの単弁十二葉文となる。同笵瓦とみられる資料が萩原瓦窯跡から出土している。文字瓦は箆書きであって、「吉井」「井出」「首□」「大□」「馬□」などがある。8世紀から9世紀の寺院あるいは官衙遺跡と見なされるが、遺跡の東方1キロメートルほどに邑楽郡衙所在地と推測される大泉町古氷の地名があるので、同郡衙に関連する寺院とみておくのが妥当と考えられる。〈須田茂〉

[文献]
◇『太田市史』通史編原始古代 1996

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