| 八方(八形)遺跡(はちがたいせき) |
| 館林市岡野町字八方ならびに坂下町字八形にあり、邑楽・館林台地北縁の、渡良瀬川の氾濫原に突出する舌状台地上の標高22メートルから23メートルのところに立地する。1982年から住宅建設などに伴って館林市教委が10地点を発掘調査し、これまでに古墳時代中期から後期を中心とした竪穴住居15棟などの遺構が調査された。1982年の調査で竪穴住居1、1983年の調査で竪穴住居2と溝状遺構1、1984年の調査で竪穴住居1(重複住居2)、1985年の調査で竪穴住居9と特殊遺構1、1996年の調査で竪穴住居2、溝状遺構1と円形有段遺構1などが見つかった。このうち1985年の調査の際に確認された特殊遺構からは炭化米の純層が見つかり、わずかながら古墳時代後期の遺物も共伴した。1996年の調査の際に確認された円形有段遺構は、直径4.5メートル、深さ1.6メートル、底面に凹みを持つ椀形をした遺構で、古墳時代後期の遺物を多量に出土している。これらの特殊な遺構は集落内の共同的な施設として位置づけられる。さらに、1983年と1996年の調査の際に確認された溝条遺構からは中世の内耳鍋やすり鉢、板碑などが出土し、中世城館の環濠の一部とも推定される。また、遺構は確認できなかったものの縄文時代の遺物も多数出土した。古墳時代の集落を中心とした縄文時代から中世、近世にかけての複合遺跡として注目されている。出土遺物は館林市教委に保管されている。〈岡屋紀子〉 |
| [文献] ◇『館林市内遺跡発掘調査報告書』 1982・1985 ◇『八方遺跡』 1998 館林教委 ◇『八方遺跡発掘調査報告書』 小川屋 1984 |