西大室丸山遺跡(にしおおむろまるやまいせき)

  前橋市西大室町字丸山にあり、赤城山南麓の赤城山起源の火山性泥流丘上に立地する。1990年にほ場整備事業に伴って県教委が発掘調査した。古墳3基と巨石祭祀遺構が見つかった。巨石祭祀遺構は泥流丘南面に位置し、そこから北に向けて赤城山を一望することができるところから、明らかに赤城山に対する信仰から生まれた遺構と考えられる。泥流丘の頂部から南面にかけて巨石の露頭が認められ、その巨石はほとんど下位の地盤とつながっているが、一部の巨石は原位置から動いている。巨石以外には、露頭部の北側に2基の土坑があり、南側には大規模な落ち込みがある。落ち込みからは土師器が出土しているが、土坑からはほとんど遺物が出土せず、巨石の基部およびその周辺で集中的に遺物が出土した。遺物の構成は大量の土師器(坏、高坏中心)と手捏土器(30点以上)、石製模造品(臼玉1万200、剣400、有孔円板120、勾玉40のほか、一部未成品や原石破片、総数約1万1000点)および少量の須恵器である。その出土場所と状況から遺物の内容や器種による差異は認め難い。土器は、もともと破砕された状況であったと考えられる。時期的には土師器などから考えて5世紀後半のものであろう。西に近接するほぼ同時期の舞台1号墳との石製模造品による祭祀との形態、性格の相違を考える上で貴重な資料となり、赤城信仰や巨石祭祀遺構を考える上でも非常に重要な遺跡である。出土遺物は県教委に保管されている。〈杉山秀宏〉

[文献]
◇『舞台・西大室丸山』『西大室丸山遺跡』 県教委 1991・1997

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