西今井遺跡(にしいまいいせき)

  佐波郡境町西今井字中道および新田郡新田町下田中字下諏訪下にあり、南東に三ツ木遺跡が隣接する。早川両岸の標高39メートルから42メートルの微高地上に立地する。1975年から1977年まで上武道路建設および早川河川改修に伴って県教委が2万6500平方メートルを発掘調査した。その結果、平安時代(9世紀から11世紀前半)の大規模な集落が見つかった。遺構は竪穴住居203、掘立柱建物14などである。竪穴住居は横長形の平面形のものが半数を占め、残りを縦長形と正方形のものが折半する。出土遺物は、土師器や須恵器、施釉陶器が主で、少数例として、土錘や紡錘車、竈の支脚、羽口などが見られる。このほか、竈用材に転用された埴輪や古瓦、および1号溝から出土した樽式系土器を含む古墳時代前期(4世紀)の土器が注目される。本遺跡は、古墳時代に始まった東毛地区の開発が、台地部を住居域とし、その縁辺を生産域とする開拓にとどまっていたのに対し、沖積地に住居域を進出させている点で注目される。特に、新規の集落形成が、平安時代後半には「空閑の郷々」とされた地域に属する本遺跡で、先駆的に行われたことは意義深い。それは、本遺跡のような集落進出が、その後広域に展開していくこと、また、中世荘園との関連性が強いとされる西今井館跡が、本遺跡地内に存在することからも明らかである。出土遺物は県埋文センターに保管されている。〈柿沼恵介〉

[文献]
◇『西今井遺跡』 県埋文事業団 1986・1987

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