| 奈良古墳群(ならこふんぐん) |
| 沼田市奈良町字八幡平、字大平にあり、武尊山を源流とする薄根川中流域右岸の小盆地状を呈する上位段丘面に立地する。古墳群は東西約400メートル、南北約200メートルの範囲に分布している。地元では「奈良の百塚」と呼ばれ、かつては60基もの古墳が確認されていたが、現在では南西側に集中している墳丘の残る古墳を中心に17基ほどが確認できるにすぎない。本古墳群を形成する古墳のうち、最大のものでも現状で直径20メートル弱で、ほかは直径10メートル台前半から7メートルないし8メートルほどで、すべて円墳である。1955年に群馬大学が発掘調査した。発掘調査された古墳は、Hr-FP降下後に築造されており、墳丘には河原石を使用した葺石があることが確認されている。埋葬施設は割石を多用した自然石乱石積の横穴式石室で、平面形は袖無型が大多数を占めるが、石室主軸にほぼ直角に玄室右側に側室を設けた希少なタイプもある。発掘調査などで直刀、鉄鏃の武器類、轡、鐙、杏葉などの馬具類、耳環、玉類などの装身具類が出土しているが、特に杏葉をはじめとした金銅製で毛彫文様の馬具の飾金具は、県内でも類例が少なく貴重な資料である。奈良古墳群には埴輪が設置されておらず、現在確認されている出土遺物から判断しても、本古墳群は7世紀代に形成された群集墳であると考えられる。出土遺物は群馬大学に保管されているほか、個人蔵のものが1977年に市の重要文化財に指定されている。〈小池雅典〉 |
| [文献] ◇『池田村史』 1964 ◇『群馬県史』資料編3 1981 ◇『沼田市史』資料編1 1995 |