| 名久田8号墳(なくた8ごうふん) |
| 吾妻郡中之条町平字下平にあり、名久田川の左岸の段丘上に立地する、20基ほどの小古墳で構成される平古墳群中の1基である。『上毛古墳綜覧』に記載された名久田村8号古墳に当たる。同書では前方後円墳とされているが、自然地形を見誤ったものらしい。1982年に中之条町教委が調査した。直径11メートルほどの山寄せの円墳で、自然石乱石積の両袖型横穴式石室を埋葬施設とすることが分かった。玄室長2.4メートル、奥壁幅1.8メートル、高さ1.8メートルで、羨道長2.4メートルの規模である。石室内の副葬品は一部が調査前に取り出されており、原位置を知ることができないが、倒卵形の鍔、内部に木質の残る鞘尻金具をはじめとする金銅製刀装具、轡、鉄鏃、金銅製耳環、滑石製臼玉、碧玉製管玉、水晶製切子玉、ガラス小玉などとともに、銅製巡方3、丸鞆1が出土している。7世紀後半に築造され、8世紀まで使用されたものとみられる。出土遺物は中之条教委で保管し、町歴史民俗資料館に展示されている。〈洞口正史〉 |
| [文献] ◇『中之条町名久田8号墳 発掘調査のあらまし』 中之条町教委 1983 |