中溝・深町遺跡(なかみぞ・ふかまちいせき)

  新田郡新田町小金井にある。大間々扇状地扇端部の微高地上に立地する。1994年から1996年まで、新田東部工業団地造成に伴って、同団地埋文調査団が発掘調査した。古墳時代前期から平安時代にかけての遺構が見つかっているが、なかでも古墳時代前期から中期にかけて、この地域を治めた有力者にかかわる特徴的な遺構、遺物が注目される。遺跡南端に溝によって長方形に区画された部分があり、その内側に2棟の大型の掘立柱建物が東西に対になるかたちで見つかった。この区画は内法で東西47メートル、南北20メートルの規模がある。区画溝の中からは古墳時代前期を中心とした土器が多量に出土している。1対の掘立柱建物のうち、東側の掘立柱建物の柱穴からは、礎板をもつ木柱が出土している。柱は直径約30センチメートル前後で、建物の規模の大きさがうかがえる。また、長方形区画の周辺には倉庫と思われる数棟の掘立柱建物が確認されている。豪族の居館や祭祀場ではないかといった考えがもたれている。この長方形区画の40メートルほど北側の地点からは外側4間×4間、内側2間×2間の2重構造の掘立柱建物が見つかり、そのすぐ西側で地表面に方形に石を敷き詰めた2基の井戸状の遺構が見つかった。井戸状遺構と2重構造の掘立柱建物は、配置からみて同時に存在した可能性が強い。井戸状遺構の中からは古墳時代前期末から中期初頭にかけての土器や小型の木製農具などが出土している。両者は一組で、祭祀を執り行う施設であったと思われる。古墳時代の特殊な構造をもつ遺構が、まとまって出土したことで、当時の有力者層の実態を知る重要な手がかりになると思われる。現在整理作業中であり、1999年度に報告書が刊行される予定である。出土遺物は新田町教委に保管されている。〈静野勝信〉

[文献]
◇静野勝信「中溝・深町遺跡」『水辺の祭祀』 日本考古学協会 1996

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