長根羽田倉遺跡(ながねはたくらいせき)

  多野郡吉井町長根字羽田倉、神保字宮西にあり、鏑川右岸の上位段丘面上に立地する。1986年から1987年にかけて上信越自動車道建設に伴って県埋文事業団が発掘調査した。調査範囲は2万5700平方メートルで、縄文時代、弥生時代の土坑、古墳時代前期、後期、飛鳥時代、奈良時代、平安時代の竪穴住居、平安時代の水田などが見つかった。特に古墳時代後期の祭祀遺構が注目を集めた。この遺構は、調査時には土器集積と名付けられ、土器片5000点以上と滑石製模造品、滑石石核、チップおよび工作用石器類が多数出土した。滑石製模造品は、臼玉、勾玉、有孔円板、剣形のほかに、馬形、鳥形が合計12個含まれていた。遺構の中心には須恵器大甕が2個体分あり、その周囲から出土した土器はほとんど細かに割れており、中には土師器坏が3枚重なった状態で出土しているものもあった。こうした状況から祭祀行為の最終段階、すなわち、祭祀用品を捨てた場所であると思われる。共伴土器から実年代を6世紀末から7世紀第2四半期におさえることができる。出土遺物は県埋文センターに保管されている。〈鹿沼栄輔〉

[文献]
◇『長根羽田倉遺跡』 県埋文事業団 1990

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