| 長根安坪遺跡(ながねあつぼいせき) |
| 多野郡吉井町長根字安坪、字西場脇にまたがる。鏑川右岸の上位段丘上に立地する。1988年から1989年にかけて上信越自動車道建設に伴って県埋文事業団が発掘調査した。調査面積は約1万8000平方メートルで、縄文時代から江戸時代までにわたるさまざまな遺構が見つかった。縄文時代では中期の竪穴住居12と列石遺構、貯蔵用や墓地と考えられる土坑群、弥生時代では中期の土坑群、後期の竪穴住居34、古墳時代では前期の方形周溝墓14、後期の古墳15、そして古墳時代から平安時代の竪穴住居49、掘立柱建物14、江戸時代の墓と畑も見つかった。遺構群の中で注目されるのは、縄文時代中期の列石遺構である。弧状を呈する、直径約16メートルほどの小規模な遺構であるが、県内での類例は多くない。列石下や周辺からは墓と考えられる土坑15基が見つかった。これらの土坑からは遺体の上に置かれたと思われる土器片や墓標として利用された石皿、多孔石が出土している。列石遺構については、集落の祭祀場所や墓地とする見解があるが、少なくとも当遺跡例は墓地と判断される。弥生時代中期の土坑群は貯蔵用と考えられているが、土器が出土することや埋土に炭化物の混入が認められるなど、貯蔵以外の用途も考慮していかなければならない。また、弥生時代後期の竪穴住居からは南東北系の完形土器が出土した。出土遺物は県埋文センターに保管されている。〈菊池実〉 |
| [文献] ◇『長根安坪遺跡』 県埋文事業団 1997 |