中江田遺跡群(宿通・本郷・原・中江田A遺跡)(なかえだいせきぐん(しゅくどおり・ほんごう・はら・なかえだAいせき))

  新田郡新田町中江田にあり、木崎台地の南端部に立地している。1987年から1992年にかけて、国道354号バイパスの建設に伴って新田町教委が発掘調査した。宿通遺跡では縄文時代(称名寺II式)の竪穴住居1、奈良・平安時代の竪穴住居14などが調査された。中江田本郷遺跡では古墳時代後期から平安時代の竪穴住居56、掘立柱建物7、円形周溝3、中世の館の堀1などが調査された。遺物のなかで、「武蔵」と墨書された須恵器、9世紀の住居から出土した銅製丸鞆、「井」と線刻された紡錘車などが注目される。ほかに18世紀の井戸から木簡が出土している。これは「仏力魔界界即仏一念即於法界急々如律令」と書かれており、呪符と考えられる。中江田原遺跡は古墳時代後期から平安時代にかけての竪穴住居85、掘立柱建物13、精錬炉2、大溝などが調査された。D-6号掘立柱建物は2間×3間で四面に庇が付く構造で、庇を含めた全長は10.5メートル×8.4メートルと大規模である。E-6号溝は最大幅6.6メートルの大規模な溝で、上層にAs-Bが堆積している。覆土からは漆紙が付着した土器や「侶」と墨書された土器10点などが出土している。このほかに住居から銅製の鉈尾も出土している。D-6号掘立柱建物は四面庇という構造で、付近から漆紙や「侶」という墨書土器が出土している点から、集落内寺院の可能性が高い。中江田A遺跡では縄文時代後期の竪穴住居1、土坑1、江戸時代の人骨を伴った土坑墓15などが調査された。土坑からは完形の浅鉢形注口土器が逆位で出土している。出土遺物は新田町教委に保管されている。〈小宮俊久〉

[文献]
◇『中江田遺跡群』 新田町教委 1997

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