苗ヶ島大畑遺跡(なえがしまおおばたけいせき)

  勢多郡宮城村苗ヶ島にあり、粕川右岸の台地上に立地する。1993年に赤城高原牧場建設に伴って宮城村教委が発掘調査した。約4万5000平方メートルの調査範囲から、旧石器時代の遺物と縄文時代早期の竪穴住居1、土坑15、炉穴15、陥穴160などが見つかった。旧石器はAs-YP層直下から黒色頁岩製、黒色安山岩製の掻器や台石など30点余りが出土した。縄文時代の陥穴は狩猟対象や構築された時代により形態や配列が異なるが、本遺跡では鹿垣を伴うものや全国で初めて逆茂木を押さえる根石を坑底の穴に施したものなど、明確な特徴から最低5列が確認されている。形態の異なる陥穴同士の前後関係や、高標高ではTピットが多くなるといった標高差による形態の変化、覆土中で観察されたK-Ahから、従来不明確であった形態の変遷や動植物相の変移からみた遺跡環境の復元をも論じられることとなった。直径1メートルほどの浅い円形土坑からは鵜ケ島台式土器の深鉢が完形で出土した。竪穴住居は3メートル×2メートルほどの大きさの隅丸方形の平面形で、調査区南端にあった。地床炉をもち、この周辺で石鏃などの遺物が出土している。陥穴と同時期の竪穴住居である。狩猟時のキャンプ地であろう。出土遺物は宮城村教委に保管されている。〈細野高伯〉

[文献]
◇『群馬発掘最前線』 県立歴史博物館 1996

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