| 月夜野古窯跡群(つきよのこようせきぐん) |
| 利根郡月夜野町にある。県北最大の窯跡群である。南から洞A(8世紀から9世紀)支群、薮田A(8世紀から10世紀)支群、沢入A(8世紀)支群、深沢BC(10世紀)支群、真沢A(10世紀)支群また西の山中の須磨野A(10世紀)支群と大きく8カ所の支群に分かれており、12基の窯体が確認または想定されている。開窯は最も古い沢入Aの8世紀第2四半期と思われるが、集落遺跡出土須恵器から8世紀前後の窯跡群の存在も推定される。焼成された主な製品は須恵器の坏、碗、皿、甕、羽釜などである。県西部や東部で作られた製品と形や整形方法や焼成方法が異なる製品があり、供給先が特定できる。その典型的なものに平安時代に作られた月夜野型羽釜がある。この羽釜の供給範囲は、利根郡、吾妻郡、北群馬郡子持村の北毛地域にほぼ限定されている。窯跡群の存在は古くから知られ、1941年には山崎義男が洞窯跡と真沢窯跡の調査報告を行い、1970年に洞窯跡の3基、1979年に沢入A支群中の2基について月夜野町教委が範囲確認調査している。また窯跡本体は確認されていないが、大量の粘土採掘坑と須恵器工人の集落が薮田遺跡と薮田東遺跡で発掘調査されている。出土遺物は県埋文センターに保管されている。〈中澤悟〉 |
| [文献] ◇山崎義男「上野国利根郡月夜野二窯阯に就いて」『古代文化』 1941 ◇『群馬県利根郡月夜野町洞窯跡発掘調査報告書』 1973 ◇『月夜野古窯跡群』 1985 月夜野町教委 |