武士遺跡(たけしいせき)

  佐波郡境町上武士にある。広瀬川(古利根川)と粕川の合流地点の西にある通称オンタケヤマから広瀬川の北岸にかけて立地する。『上毛古墳綜覧』には前方後円墳5基と円墳82基からなる5世紀末から6世紀代の古墳群であることが記されている。1966年にこの一帯で土砂採集が行われ、その際に『上毛古墳綜覧』記載の剛志村第30号古墳(天神山古墳)、33号古墳、36号古墳の3基を群馬大学が発掘調査したが、ほかは削平されてしまった。天神山古墳は、東京国立博物館所蔵の犬形埴輪、猪形埴輪などが出土した著名な古墳である。この古墳は自然の丘の頂上を整形し墳丘を築いたもので、埋葬施設は既に破壊されていた。形象埴輪が多く配列されていたが、その埴輪などから6世紀後半に築造された古墳であることが分かる。その後、1980年と1981年に総合運動場建設に伴って境町教委が発掘調査した。この調査で、残された周溝から古墳の形態や規模が判明した。帆立貝式古墳1基、円墳7基が調査されたが、帆立貝式古墳は全長28メートルあり、人物埴輪や朝顔形埴輪が周溝から出土した。それらの遺物は6世紀後半代の時期である。この調査の出土遺物は境町教委に保管されている。〈坂爪久純〉

[文献]
◇『境町上武士の古墳』 1968
◇『武士遺跡』1981・1982 境町教委

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