滝之入前遺跡(たきのいりまえいせき)

  新田郡薮塚本町薮塚字滝之入前にある。八王子丘陵が大間々扇状地と接する高台に位置する。傍らには、子持勾玉を出土した三島神社がある。1984年に土地改良事業に伴って薮塚本町教委が4444平方メートルを発掘調査した。縄文時代中期から奈良・平安時代までの複合遺跡である。縄文時代では、早期後半から後期前半までの土器片と中期の埋甕3を伴った竪穴住居が見つかった。また、住居の周辺から石皿1、石斧3(打製2、磨製1)、石匙2やミニチュア土器が出土している。さらに陥穴あるいは墓坑とみられる土坑7も見つかった。弥生時代については、古墳時代の竪穴住居の覆土から土器が出土した。器高35センチメートル、頚部径11.2センチメートル、胴最大径28センチメートル、底部径10.5センチメートルで、頚部には9本の廉状文が3単位止めで描かれ、口唇部には幅2センチメートルほどの折り返しがあり、ここに波状文が描かれている。文様は樽式土器の終末期の様相であるが、器形は胴部がつぶれたような形をしている。そのほか数点の破片が出土している。古墳時代は竪穴住居14棟が見つかった。うち4棟は重複住居で、鬼高式期の土器を伴っていた。また、石製模造品(玉2、釧片1、剣形4)が出土し、三島神社の子持勾玉との関連が考えられる。出土遺物は薮塚本町教委に保管されている。〈半田勝巳〉

[文献]
◇『滝之入前遺跡』 薮塚本町教委 1985
◇今井新次『落穂集』 新田郡古代文化研究所 1969

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