高林梁場遺跡(たかはやしやなばいせき)

  太田市高林南町にあり、利根川左岸の高林台地の南縁で、台地を縦断して南下する八瀬川が大きく東へう回する右岸の台地がせり出した部分に立地する。1994年に公園建設および住宅移転に伴って太田市教委が発掘調査した。古墳時代後期と平安時代の複合遺跡で竪穴住居40のほか、井戸1などが調査されたが、掘立柱建物は確認されていない。集落は東側緩斜面の標高33メートルから34メートルの比較的狭い範囲に営まれている。遺物では多数の土師器や須恵器のほかに緑釉陶器片1、曲刃鎌2、舟底形鉄滓1、土錘、勾玉、桃の種子などが出土している。桃の種子は、古墳時代から平安時代の両時代の竪穴住居の竈内およびその周辺から出土しており、いずれも炭化している。土錘は孔の直径1センチメートル前後、重量20グラム前後の比較的大型のものも多く、八瀬川あるいは利根川での刺し網などを用いた漁労が行われていたものと考えられる。平安時代の竪穴住居からは鉄製の鎌2点や刀子片のほか鉄製釘も出土し、井戸から出土した舟底形鉄滓の存在などから、小鍛冶遺構もあるものと考えられる。出土遺物は太田市教委に保管されている。〈島田孝雄〉

[文献]
◇『市内遺跡』X 太田市教委 1994

戻る