| 下平遺跡(しもだいらいせき) |
| 吾妻郡中之条町平字下平にあり、名久田川左岸の河岸段丘上に立地する。平遺跡群内の一遺跡である。1986年に町道新設工事に伴って中之条町教委が発掘調査した。調査範囲は1320平方メートルで、縄文時代、古墳時代、平安時代などの遺構が見つかった。縄文時代では、早期の土器片が出土したほか、竪穴住居4(前期1、前期から中期1、中期2)、埋甕などが調査された。なかでも前期の竪穴住居は不定形ながら直径約10メートルと大型で、住居内から多量の遺物が出土した。これらの遺物の大半は、廃絶後の住居が土器捨て場として利用され、周辺より投げ込まれたものと推定される。古墳時代では、後期の竪穴住居7、古墳1が調査された。注目されるのは9号住居で、出土した鉄製品を見ると、鉄鏃、刀子、紡錘車、釘状鉄器、それに帯金具がセットで出土しており、通常の住居とは異なる性格であったと考えられる。古墳は、平古墳群中にあって、『上毛古墳綜覧』に記載された「名久田村9号墳」として認識されており、調査によって7世紀中葉から後半期にかけて築造されたことが分かった。平安時代では、竪穴住居2棟が調査された。また、時期不明の小鍛冶1基も見つかった。発掘が行われたのは、下平遺跡のほんの一部に過ぎず、本区域の東南方向に遺跡の本体があるものと思われる。出土遺物は中之条町教委に保管され、一部は中之条町歴史民俗資料館で公開されている。〈福田義治〉 |
| [文献] ◇『平遺跡群 下平遺跡発掘調査概報』 中之条町教委 1986 |