下芝五反田遺跡(しもしばごたんだいせき)

  群馬郡箕郷町下芝字五反田にあり、榛名山東南麓の白川扇状地内に立地する。1993年から1994年と1995年に北陸新幹線建設に伴って県埋文事業団が発掘調査した。発掘調査の範囲は、1万50平方メートルで古墳時代後期初頭、奈良時代から平安時代、中世にかけての住居、畠、水田、土坑などが見つかった複合遺跡である。特に古墳時代初頭のHr-FAで埋没した竪穴住居と畠や平安時代の「犬甘」銘の銅印、2体の鏡像が彫られた八稜鏡、石帯、施釉陶器などの出土が注目を集めた。古墳時代の遺構は、Hr-FA、Hr-FPに伴う洪水堆積層により現地表面より約4メートルから5メートル下に埋没している。古墳時代の遺構には、畠、竪穴住居、円形の建物などがあるが、特にHr-FA層直下では、広範囲に畠が展開し、その間に竪穴住居がある。竪穴住居は、当時の地表面がそのまま残存しているため周囲に周堤が残っている。また、畠や竪穴住居で利用されていない空間には土器や石製模造品を集積して祭祀を行った場所もあった。この祭祀跡は、隣接する下芝天神遺跡のように大規模なものではない。土師器坏、高坏、鉢、小型甕、壷など74個体と臼玉を中心とした石製模造品45点が出土しているが、なかでも一般の竪穴住居からは出土していない小型の台付鉢があり、甑や甕が出土していないことが注目される。当時の地表面の存在は、子持村黒井峯遺跡や渋川市中筋遺跡とともに今後の古墳時代の研究に重要な資料を提供するものである。出土遺物は県埋文センターに保管されている。〈神谷佳明〉

[文献]
◇『下芝五反田遺跡(古墳時代編)』 県埋文事業団 1998

戻る