| 下沢渡伊賀野遺跡(しもさわたりいがのいせき) |
| 吾妻郡中之条町沢渡字伊賀野にある、縄文時代前期の短期竪穴居住遺跡である。吾妻川支流の四万川右岸に位置し、標高555メートルの丘陵上に立地する。遺跡地は東西約150メートル、南北約500メートルの範囲と考えられるが、遺物の散布は極めて希薄である。1989年に送電線鉄塔工事に伴って中之条町教委が約100平方メートルを発掘調査した。竪穴住居2、土坑1が見つかった。竪穴住居はともに南、南東側に柱穴1をもつ簡易施設で、炉はない。遺物は粗製の土器片、石鏃などの狩猟具数点のほか、石製飾玉が出土している。限定的な発掘のため断定はできないが、竪穴住居の構造や出土遺物の構成などから、本遺跡は非定住型の遺跡とも考えられる。今後、このような遺跡と同一時期の近隣集落遺跡との社会構造的な研究が必要である。出土遺物は中之条町歴史民俗資料館に保管されている。〈唐澤至朗〉 |
| [文献] ◇『下沢渡伊賀野遺跡』 中之条町教委 1989 |