芝山遺跡(しばやまいせき)

  勢多郡北橘村箱田字西前原、字芝山を中心とした地区にある。南北に延びる台地上にあり中央に南西方向の谷が入る。1990年から1991年にかけて土地改良事業に伴って北橘村教委が発掘調査した。遺構は東に面した緩斜面に特に集中していた。縄文時代前期、中期の竪穴住居17、土坑73、奈良・平安時代の竪穴住居21、掘立柱建物、炭窯などがある。縄文時代は前期前葉の二ツ木式の竪穴住居5、中葉の黒浜式、有尾式の竪穴住居4、後葉の諸磯式の竪穴住居7、中期後葉の加曽利E3式から4式の竪穴住居1である。とくに住居、土坑から出土した二ツ木式土器は量が豊富で、良好な資料として注目される。二ツ木式は前葉初めの花積下層式から前葉終わりの関山式の間をつなぐ土器であり、芝山遺跡出土のものは二ツ木式の古い段階のものとされた。奈良時代から平安時代にかけての遺構は奈良時代後半を中心としている。H-7号住の床面より10センチメートル上で和同開珎が1枚出土した。角孔内にバリがわずかに残り、鑢目も観察でき流通貨幣として使用された形跡が少ない。勢多郡内では宮城村白山古墳から8枚出土した例があり、祭祀的な意味合いが強い。竪穴住居からの出土例も増えている。出土資料は北橘村教委に保管されている。〈長谷川福次〉

[文献]
◇『芝山遺跡』 北橘村教委 1993

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