川井古墳群(かわいこふんぐん)

  烏川と利根川の合流点から、西へ約2キロメートルの佐波郡玉村町川井地区にある。現在確認されている古墳は芝根村5号から7号、12号、14号から18号古墳のほか、空中写真や野外調査で確認した2基の計11基である。1968年と1969年に、土地改良事業に伴って群馬大学が芝根村7号古墳と14号から18号古墳を発掘調査した。ほとんどが墳丘10メートル級の小規模な古墳であったが、7号古墳は2度にわたって築成されていたというやや特異な様相であった。下層の1次古墳からは、葺石とともに壷形埴輪や器台形埴輪が出土している。形態は前方後方墳の可能性が考えられる。2次古墳は前方後円墳と推定され、円筒埴輪、形象埴輪(人物、家形)が出土している。埋葬施設の横穴式石室には、耳環、大刀、刀子、鉄鏃、馬具、玉類などが副葬されていた。また、明確な遺構からの出土ではないが三角縁神獣鏡が確認されている。この鏡は2次古墳の横穴式石室の奥壁裏の封土中から、盛土の状況が変化する奥壁の第1石とほぼ同じ高さで、鏡面を上にして発見されている。これは石室構築の際、鏡を納めていた1次古墳の埋葬施設を破壊してしまい、鏡を再び埋納したと考えるのが妥当である。時期的には、1次古墳は古墳時代前期、2次古墳は6世紀中ごろと推定される。古い様相を示す遺物とともに、三角縁神獣鏡という出土例の少ない鏡が発見されたことから、古墳時代前期における当地域の重要性がうかがえる。出土遺物は群馬大学に保管されている。〈中里正憲〉

[文献]
◇藤岡一雄『群馬大学史学会総会研究発表要旨 芝根7号古墳』 1968
◇清水和夫「群馬県佐波郡玉村町大字川井地区所在上毛古墳綜覧記載漏芝根15号墳
◇16号墳発掘調査概報」『コイノス』41 1969
◇『群馬県史』資料編3 1981

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