上中居辻薬師II遺跡(かみなかいつじやくしIIいせき)

  高崎市上中居町にある。JR高崎駅の東方約1キロメートルところにある、東西に延びる微高地南縁に立地する。1991年に高崎市教委が発掘調査し、古墳時代の方形周溝墓2、竪穴住居1、幅4メートルから8メートルの大型水路、中世から近世の掘立柱建物12、井戸14、墓2、溝6などが見つかった。周溝墓からは器台、大型水路からは石製の剣形模造品、勾玉、須恵器坏が出土している。また、中世遺物には内耳鍋、土師質土器皿、銅製燭台などがある。調査区東部で見つかった溝は中世館の堀で、土塁を伴った溝が方形にめぐることも分かった。なお、溝の一部は近世や近・現代の陶磁器が出土することから中世から近・現代まで堀として機能していたと考えられる。埋め戻された溝もあり、これは存続期間が15世紀に限定されたため、これを堀とする館が15世紀段階に位置づけられることも分かった。掘立柱建物は大部分が中世と考えられるが、1号は柱穴を埋めている土にAs-A軽石粒を含んでいるものもあることから、近世の建物もかなりあると考えられる。矢中堰のすぐ北にある蛇行する溝は、流水があったことが確認できる。この溝に連なる溝の年代が15世紀のものであることから、このころに本格的な水路整備が行われたと推定される。出土遺物は高崎市教委に保管されている。〈関口修〉

[文献]
◇『上中居辻薬師II遺跡』 高崎市教委 1992

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