| 上戸塚正上寺遺跡(かみとつかしょうじょうじいせき) |
| 藤岡市上戸塚字正上寺にあり、JR八高線藤岡駅の東約800メートル、烏川と神流川の合流点の南西約5キロメートルに位置している。1992年に河川改修工事に伴って県埋文事業団が発掘調査した。古墳時代から中世、近世にかけての遺構や遺物のほか、古墳時代以前に中川流域に降下した火山灰や中川の旧流路が見つかっており、この地域における古環境や当時の気候や生態系を探ることができる。調査された遺構は、周溝墓2、古墳1(正上寺山古墳、『上毛古墳綜覧』神流村第2号墳)、古墳時代中期の竪穴住居2、古墳時代前期から中世にかけての溝29、中世の掘立柱建物であった。周溝墓は2基とも前方後方形である可能性が高く、近接した位置にある。周溝の覆土中から二重口縁壷が1個体ずつ出土しており、その特徴、出土状態を同じくしている。うち2号周溝墓から出土したものの底部は、焼成前に穿孔されている。2個体とも文様はなく、外面は赤色塗彩されている。また、古墳時代前期から後期に至る溝群が見つかっており、今回の調査では水田の痕跡はなかったものの、低地帯での水田耕作の可能性が十分に考えられる。この溝の1条から、県内で3例目となる古墳時代のものと考えられる火鑽板が出土している。出土遺物は県埋文センターに保管されている。〈磯貝朗子〉 |
| [文献] ◇『上戸塚正上寺遺跡』 県埋文事業団 1993 |