上佐野舟橋遺跡(かみさのふなはしいせき)

  高崎市上佐野町字舟橋にあり、烏川の左岸台地上に立地する。1990年に分譲住宅造成工事に伴って高崎市遺跡調査会が3地点(上佐野舟橋I〜III遺跡)で発掘調査した。上佐野舟橋I遺跡では古墳時代前期の竪穴住居5と土坑1、平安時代後期の竪穴住居2、5世紀の方墳1、中世の井戸1、堀1などを、上佐野舟橋II遺跡では古墳時代の竪穴住居2、平安時代の竪穴住居4、中世の井戸4を発見した。また上佐野舟橋III遺跡では古墳前期の竪穴住居2、平安時代の竪穴住居1、5世紀の円墳1、古墳時代の溝2などが見つかった。上佐野舟橋I遺跡の3号土坑からは、完形に近い土師器の甕、畿内系高坏、S字状口縁台付甕などが出土している。これらの土器は意図的に土坑中に埋められたと考えられ、祭祀行為としての色彩が濃い。また、同遺跡の方墳は14メートル×15.3メートルの規模で、周堀幅は1.5メートルから2.5メートル、深さは0.5メートルから0.8メートルある。埋葬施設は削平されているが、周堀の出土土器や埴輪から判断して竪穴系の石室をもつものと推定される。周堀中の埴輪は円筒埴輪のみが確認できる。外面は1次タテハケ、透かし孔は円形で突帯は台形でかなり突出し5世紀後半の特徴を示している。上佐野舟橋III遺跡の1号墳は、直径16メートルから17メートルの円墳で、1.5メートルから2.5メートル幅の周堀がある。周堀中には、基壇面から崩落したと考えられる葺石が多数認められた。遺物は、周堀中から土師器坩、口縁部に二重口縁の名残を残す甕、円筒埴輪などが出土している。5世紀前半ないし中葉に位置づけられよう。出土遺物は高崎市教委に保管されている。〈関口修〉

[文献]
◇『上佐野舟橋遺跡』『上佐野舟橋III遺跡』 高崎市遺跡調査会 1992
◇『上佐野舟橋II遺跡ほか発掘調査概要』 高崎市教委 1992

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