上井出遺跡(かみいでいせき)

  群馬郡群馬町井出字上井出にある。相馬ヶ原扇状地上で、猿府川右岸に立地する。標高は133メートルある。南700メートルには豪族居館として知られる三ツ寺I遺跡があり、そこを拠点とした首長累代の奥津城とされる保渡田古墳群が400メートル西に位置する。1991年に地権者が畑を開墾中に多量の土器を確認し、通報を受けた群馬町教委が掘削範囲内を発掘調査した。土層観察では、Hr-FAが部分的に遺物を覆っている。出土遺物には須恵器はなく、土師器坏類、碗、鉢、壷、甕、高坏がある。滑石製品は92点出土し、その主体は臼玉(87点)である。ほかに剣形品が破片で出土する。遺物の配置は、壷を中心に周縁に坏などが重ねられて置かれる。坏内には数個の臼玉が入るものもある。下芝天神遺跡(箕郷町)、寺尾東館遺跡(高崎市)や城北遺跡(埼玉県深谷市)でも同様な遺構が見つかっている。これらが祭祀行為の最終的様相なのか、あるいは祭祀行為の後処理の結果なのか、基本的な性格付けをはじめとして追究する問題は多い。出土遺物は群馬町教委に保管されている。〈清水豊〉

[文献]
◇清水豊「群馬町上井出遺跡出土の祭祀遺物」『群馬考古学手帳』3 1992

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