上飯島芝根II遺跡(かみいいじましばねIIいせき)

  佐波郡玉村町上飯島地区にある。1994年に大型店舗建設に伴って玉村町遺跡調査会が調査した。平安時代を主体とした竪穴住居約60棟、井戸、土坑、溝や平安時代の水田などが見つかった。出土遺物の中で注目されるのは、銅印である。1辺が3.3センチメートル、高さが3.6センチメートルの大きさで、印字の深さ約0.3センチメートル、鈕の最大幅1.4センチメートル、厚みは0.5センチメートルある。鈕は中央に円孔を穿ち、形状は弧鈕に属すると思われるが、左右側面のそれぞれに面取りがあり、完全な円弧状ではない。印文は周縁を隆線で囲んだ中に「影」と陽刻されている。全体に錆が進んでおり、印面の四隅も欠損していて遺存状態はよくない。共伴遺物もなく遺構からの出土でもなかったため時期の特定は難しいが、遺跡の状況から平安時代のものと考えられる。大きさが1辺1.5寸(約4.55センチメートル)以内であり、印文が1字であることから、周辺地域に影響力を持つ人物が使用した私印と考えることができよう。出土遺物は玉村町教委に保管されている。〈小田澤佳之〉

[文献]
◇『群馬発掘最前線』 県立歴史博物館 1996

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