壁谷遺跡(かべやいせき)

  吾妻郡中之条町大塚字壁谷にある。発掘調査は行われていないが、縄文時代の重要な遺物が出土していることで知られる。一つは、縄文時代中期阿玉台式の深鉢土器で、1983年のあかぎ国体の炬火台のモデルとなったものである。1921年の水路工事の際には、縄文時代後期堀之内式期の筒形土偶が出土している。土偶は高さ9センチメートルで、2重沈線による渦巻文が施された筒部に上向きをした顔面が表現されている。これらの遺物は、出土地点などに不明確なところもあるが、中之条町の縄文時代を研究する上で欠くことのできない資料となっている。壁谷地内には、畑地に土器の散布がみられ、上水道水源付近からも土器の出土があったといわれ、大規模な縄文時代遺跡の存在が推測される。出土遺物は個人が保管している。〈福田義治〉

[文献]
◇『中之条町誌』1 1973
◇大塚昌彦「壁谷遺跡の筒型土偶」『群馬考古学手帳』6 1996

戻る