片山1号古墳(かたやま1ごうこふん)

  多野郡吉井町片山にあり、鏑川右岸の下位段丘面上に立地する。1991年に土地改良事業に伴って吉井町教委が発掘調査した。全長約40メートルの前方後円墳であるが、前方部はすでに削平されていた。埋葬施設は後円部中央よりやや南側で、墳頂から地下約30センチメートルの位置にある。木棺のまわりを粘土でつき固めて保護したと思われる粘土槨があり、東西方向に長さ8.1メートル、幅1.5メートルの規模をもつ。粘土の厚さは約10センチメートルで、この中に長さ7メートル以上の丸太を割ってくりぬいた割竹形木棺が納められていたものと考えられる。副葬品は西寄りの遺体の頭上部分と想定される位置から銅鏡1面、滑石製模造品、櫛が出土し、腰や足元からは鉄剣、鉄刀が出土した。また西に偏った部分からは顔料朱も見つかった。銅鏡は直径約10センチメートルの内行花文鏡である。滑石製模造品は、やりがんな、鎌、斧や刀子を模したものである。櫛は10点以上と多量に副葬されている点で特異である。墳丘上からは円筒埴輪と家形埴輪が出土した。これらの遺物の特徴から古墳の築造年代は4世紀末から5世紀初頭と考えられる。県内における古墳時代前期から中期への過渡期を考える上で重要な古墳である。出土遺物は吉井町教委に保管されている。〈入澤雪絵〉

[文献]
◇『片山1号古墳現地説明会資料』 吉井町教委 1991

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