稲荷町II遺跡(いなりちょうIIいせき)

  高崎市街地の北東部、稲荷町にある。南60メートルに一貫堀川が西から東に流れ、これに向かうように北西から南東に延びる微高地の南端付近に立地し、標高は93メートルほどである。1995年に市営住宅建て替えに伴って高崎市教委が発掘調査した。古墳時代前期のピット、古墳時代中期の溝、中世の土坑および鋤耕作跡列、近世の水田などが調査された。同じ微高地上には日光町林製作所遺跡や稲荷町I遺跡など弥生時代の遺跡があるが、本遺跡では樽式土器の破片数点が出土したのみであった。古墳時代中期の溝3条からは埴輪片や滑石製模造品などが出土している。このうち1号溝は、長さ約16メートルにわたる弧状で、直径約21メートルの円墳の南東の周堀約4分の1にあたるものとみられる。上幅1.5メートルから2.8メートル、下幅0.5メートルから0.8メートル、深さ0.4メートルから1メートルほどの規模で、覆土中ほどから円筒埴輪が転落した状況で多数出土している。覆土中にはHr-FAとみられる火山灰のレンズ状堆積が認められた。埋葬施設が削平されているため、遺物は周堀から出土した円筒埴輪のみである。2条凸帯3段構成の円筒埴輪で、第2凸帯直上に小円孔があるものも確認された。3号溝出土の円筒埴輪の中には、三角形の小孔をもつものがある。出土遺物は高崎市教委に保管されている。〈田村孝〉

[文献]
◇『稲荷町II遺跡』 高崎市教委 1996

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