稲荷田遺跡(いなりだいせき)

  勢多郡粕川村新屋字稲荷田にある。桂川と山麓開析による谷地に挟まれた台地南端部に立地する。谷地を挟んで東には中世城館の女渕城がある。1984年にほ場整備事業に伴って粕川村教委が発掘調査した。縄文時代晩期の包含層、古墳時代後期から平安時代にかけての竪穴住居、方形区画の溝と井戸、地下式墓坑などが見つかった。地下式墓坑は中世のもので、天井部が崩落した状態で見つかったものが多く、直径1メートルほどの入口部と1辺2.5メートル前後の方形の埋葬施設からなる。入口部からほぼ垂直に下りるものや、階段状の施設を持つものがある。埋葬施設内から渡来銭やカワラケを出土したものがあったが、五輪塔や板碑を伴うものはない。入口部に頭位を下にした状態で人骨が出土した例が1例あった。出土遺物は粕川村出土文化財管理センターに保管されている。〈小島純一〉

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